『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ』

友人のおすすめで本を読んだ。

 

f:id:yuuuyuuujiteki:20230217184809j:image

 

「この国は虚構で解体されファシズム化する」

 


刺激的で、分かりやすい書き方に、理性の腐食を自戒する内容。

 


雇われで大工をやっている自分に、

1番響いたのは、

 


「結局のところ中小企業を潰せという「清算主義」の先にあるものは、倒産と、廃業と、失業と、自殺の山に他なりません。  p105

 


家がハウスメーカーにより、安価に大量生産される時代。

田舎の腕のある一人親方や少人数の工務店は益々、たいへん。

 

 

 

さて、じゃあ、どうやったら

僕らは賢くなれて、

僕らは繋がれて、

大切なものを守れるのか。

 


そんなことを考え始めました。

『ゆるい職場』 古屋星斗


ブラック企業」が流行語になってから、

2010年代にさまざまな職場運営法が改正されたために、残業時間やパワハラが是正され、若者への負荷が減った。今までの教育が通用しなくなった。

同時に若者が成長を感じることも減り、不安から転職が増える。(20代後半の社会人の54%が転職を経験しているという調査結果もある)

 


会社で若者を育てるから、

若者が会社を使って育つ時代になった。

 


会社は、その若者を支えるための支援や制度を整え、横のつながりや、社外のつながりから、成長の機会をサポートし、育った若者とのつながり方の選択肢を増やす。


そうして、未来を担う若者を育てていける「社会」を作ることもできるんじゃないか。

という大きなメッセージを自分は受け取った。

『スモールハウス』高村友也

『スモールハウス』

~3坪で手に入れるシンプルで自由な生き方~

高村友也

 

 

「シンプルな生活は、世界もシンプルであると思い込んで大きな顔をして生きていくためではなく、むしろ、シンプルでない複雑な世界に対して心を開いておき、世界をシンプルにしようと努める余力を残しておくためにあるのではないだろうか。」(P194)

 

>>>


一般的に、土地と家を買って4000万。

ローンや税金、メンテナンスで2000万。

生涯賃金の1/3を費やすような

大きな家じゃなくて、

数10万円で建てれる小さな家。

 


この本は、経済的にも、環境的にも、精神的にも、小さい家はおすすめだし、自分たちで作れそう。楽しそう。と思わせてくれる。

 

そして、紹介されている家主たちの精神的な軽さ、自由さに惹かれながら、サクサク読み進めると、最終章は、「意識の話」、「世界の捉え方の話」いかにも哲学的で、それが家と結びついていて読み物として面白い。

 

結局、どんな風にも暮らしていけるこの時代で、「僕らの生きてる理由はなんだろう」を「あとがき」でふわっと投げられておわる。

   

どんなジャンルでも「よく生きる」を個人的に追求している人の話は面白い。

 


表紙の軽さや、スモールハウスで暮らす人の軽さからは想像しなかった、ずっしりした読了感。薪ストーブや、灯油ストーブを前にココアと一緒に読むのをおすすめします。